トップページ > コラムトップ > 強いポケモンを知ろう!
 アドバンテージという概念




 あらゆるゲームの基本

これは、ポケモンでは、まだまだ知られていない概念ですが、カードゲームでは非常に大切にされている概念です。
本当は初級者向けコラムに入れようと思っていたのですが、ある程度ポケモンの基本ができている方じゃないと難しいかなと思い、中〜上級者向けにしました。
このアドバンテージという概念を用いた考え方を習得すれば、ポケモンではもちろん、トランプや将棋、そしてチェス、オセロなどでもかなりのスキルアップがあると思います。



 アドバンテージって?

最も効率よく勝つには「やられずにやる」というのが最善の策です。
ただ、相手に勝とうというのに自分が犠牲を差し出さないというのは、非常に失礼ですし、それ以前に不可能でしょう。
では、「出来る限りやられずにやる」と言うとどうでしょう?それなら出来そうな気がするでしょう。それがアドバンテージの基本概念です。その基本概念を理論化したものを説明していきます。

まず、「出来る限り」という非常に曖昧な考え方を数値化することから始めます。そうすることで、どれだけアドバンテージを取れているかが一目瞭然になります。
基本的には一匹で相手の何匹を行動不能にしたか、という考え方で捉えてみましょう。

<例1>
きあいのタスキを持たせた《ゲンガー(094)》で相手の《スターミー(121)》をシャドーボールで倒す。
→こっちは一匹も失っていないのに対して、相手は一匹失ったので、自分から見るとアド+1、相手から見るとアド−1となります。

<例2>
例1で《スターミー(121)》を倒した《ゲンガー(094)》がみちづれで《カビゴン(143)》を倒す。
→例1のスターミーと合わせて、自分は1匹失って2匹倒したのでアド+1、相手から見るとアド−1となります。

催眠は、眠りから覚めるまでの間、一時的にアドバンテージを取っていることになります。
例えば、例1の《ゲンガー(094)》が催眠術で《カビゴン(143)》を眠らせた場合は、《ゲンガー(094)》が残っているのでアド+2となります。
麻痺ややけど状態、またそれだけに留まらず、相手のHPを削る行為全般も、直接的ではないにしろ、後続のポケモンがアドバンテージを取りやすくするための有効な手段といえるでしょう。
なので、ステルスロックで相手のHPの1/8を削るたびに、「アドバンテージを1/8稼いでいる」という見方なんかも面白いかもしれません。

上記の数値化を「ライフアドバンテージ」と呼ぶことにしてみましょう。

「出来る限りやられずにやる」の数値化ということであれば、これ以外にも数値化できそうなところがあると思います。
そう、「行動に費やしたターン数によるアドバンテージ」です。つまり、同じターン数を戦っていく中で、多く行動したほうが有利なはずです。ではそこを「行動アドバンテージ」として数値化してみましょう。

<例1>
相手の《エアームド(227)》が2回まきびしを撒いたあと、こちらの《ドククラゲ(073)》がこうそくスピンをした。
→相手の2回分の行動に対して、こちらの1回分の行動で相殺した。自分から見るとアドバンテージ+1、相手から見るとアドバンテージ−1ですね。

<例2>
《ドータクン(437)》で相手を流しながらリフレクターを貼った。
→これは良くありそうな局面ですね。自分から見るとアドバンテージ+1、相手から見るとアドバンテージ−1になります。


このように、数値化することで、ひとつひとつの行動の±が一目瞭然になり、プレイングを見直すと同時に、ひとつひとつのアクションをないがしろにすることを防ぐことが出来ます。 このひとつひとつの行動、技・交代の選択の積み重ねが勝敗を決めます。なので、常に隙あればアドバンテージを取ってやろうと目を光らせて、対戦を進めることが、勝率が伸び悩んでいる方の勝率を上げるための第一歩になります。 最近勝率が伸び悩んでいる人、対戦がマンネリ化してきて、ひとつひとつの行動をないがしろにしていませんか?今一度このアドバンテージの概念を学んで、基本に立ち返りましょう。



 アドバンテージも万能ではない

ここまで散々、語ってきたアドバンテージですが、これも実は完全な概念ではありません。
目的が相手のポケモン全てを瀕死にすることであるため、時にはアドバンテージを失ってでも、積極的に倒しに行く必要もありますし、アドバンテージばかりを重視しすぎてジリ貧になり、最終的にはHPが減ったところを相手のエースに3タテされてしまうなんてこともあります。 そうならないためのポイントをいくつか説明しておきます。

1.相手にアドバンテージを取りやすいポケモンがいれば、多少アドバンテージを失ってでも倒しに行く。
 これが大切なポイントです。アドバンテージを取りやすいポケモンには、相手のエース、そして突破しにくい相手の「受け」があります。「受け」には受けられる分だけアドバンテージを取られていくので、注意が必要です。
2.相手の残りポケモンが少なく、こちらが有利な場合は、多少アドバンテージを失ってでも倒しに行く。
 相手が残り少ないのに、アドバンテージを気にしていては、巻き返される心配もあります。無駄にアドバンテージを捨てるのは良しとはいえませんが、アドバンテージばかりを重視するのではなく、将棋の詰め将棋の感覚で、できるだけアドバンテージを失わないように、しかし相手をさっさと倒してしまうというのが大切です。


このように、アドバンテージを上手く取りながら、勝利を目指していくことが、更なるスキルアップに繋がるのではないでしょうか?








コラムトップへ戻る


inserted by FC2 system